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経産省「緊急事態宣言にともなうイベント中止で最大2,500万円支援」を分かりやすく解説

■経済産業省は緊急事態宣言にともなってイベントを延期・中止した主催者または遊園地の運営者に対し、イベントのキャンセル費用などを支援することを発表した。イベントを中止したにもかかわらず発生した費用や映像制作費、配信費が対象で上限は2,500万円。具体的には「会場キャンセル費」「チケットの払い戻し手数料」「感染対策費」「リハーサル経費」などが該当する。

■現在、イベント開催について政府は制限を設けたり協力の要請を行っているが、イベント本来の集客数を大幅に削るものとなっている。また、イベントの開催・中止にかかわらず、事前準備のための費用は当然発生する。例えば、リハーサルの経費がそうだ。
イベント参加者にとっては、チケットを購入していてもイベントが中止になった場合はチケット代が返金されるためプラマイゼロで済むかもしれない。しかし事業者にとってはマイナスでしかない。押さえていた会場をキャンセルした際にかかる費用やチケットの払い戻し手数料が発生するためだ。それゆえ、背に腹は変えられないと判断した事業者が制限を無視し、強行開催する可能性をはらんでいるのだ。今回政府は、キャンセル費用などを支援することで、中止・延期について事業者の適切な判断を促し、力ずくの開催を防ぐことが狙いだ。

■支援の要件は以下の通り。
① 緊急事態宣言発令地域などで、イベント開催制限や施設利用に関する協力依頼により開催を自粛(中止・延期)すること。ただし緊急事態宣言発令期間内に予定されていたものに限る。
② 自粛により中止・延期になったイベントに関連する内容のPR動画を制作し、配信プラットフォーム(YouTubeなど)で配信して海外に動画を配信すること。

■対象地域
緊急事態宣言が発令された11都府県(東京・千葉・神奈川・埼玉・栃木・岐阜・愛知・京都・大阪・兵庫・福岡)が主な対象地域だが、緊急事態宣言の対象地域以外の地域であっても「ステージ4(爆発的感染拡大)」に向けて感染が拡大している地域で、今回の緊急事態宣言の対象地域と同じ取り組みを実施するなどの要件を満たすことが、特措法担当大臣(西村康稔経済再生担当相)により確認された地域も対象となる。

■イベント開催制限・施設利用に関する政府からの協力依頼は以下の通り。
・イベントの開催制限(音楽・演劇・伝統芸能、展示会など)は【人数上限5,000人、かつ収容率50%以下の要件に厳格化】【20時までの営業時間短縮(酒類提供は19時まで)の働きかけ
・施設の利用制限(展示場、遊園地、劇場、映画館など)は【人数上限5,000人、かつ収容率50%以下の働きかけ】【20時までの営業時間短縮(酒類提供は19時まで)の働きかけ

■補足
支援の要件①はともかく、なぜ「②PR動画を海外に配信する」必要があるのかというと、今回の対応措置は「J-LODlive(ジェイロッドライブ)補助金」に該当するからだ。J-LODlive補助金の目的は、日本発の音楽・演劇などのコンテンツの海外展開拡大、訪日外国人の促進である。要するに「新型コロナの影響で日本のコンテンツを海外へプロモーションする機会がないので、国内の音楽・演劇公演を収録して動画配信するなら、それにかかる費用負担を軽減しますよ」というものである。本来この補助金は、今後実施する公演に対する支援であるため、中止・延期した公演で発生したキャンセル料金やチケットの払い戻し手数料などは対象外であった。

■細かいことだが、今回の支援はPR動画を作成し、配信する費用も支援の対象に含まれる。